約 78,815 件
https://w.atwiki.jp/yan-dere/pages/135.html
< 【back】 【next】 > 「藤宮ミノルの憂鬱」 ―次の日― 夏の朝方に、エンジンがかかるなんて珍しいことじゃない。 新聞配達のバイクのエンジンがかかる頃なんだろうけどそっちじゃなく、俺の体のエンジンがって意味ね。 稔 「…それぐらいアッチが元気なんじゃなくて、単純に寝苦しいんだよ」 とにかく暑い。 いつだったかこの暑さで目覚めてしまい、数時間悶え、寝ぼけ眼で窓を開けたままクーラーをつけてしまった。 省エネが叫ばれる昨今でね。 朝、それに気付いた姉に寝起きでどやされてから、ちょっとしたトラウマ。 それ以来、クーラーは封印し夜に窓は開けっ放し。 稔 「…」 稔 「伊万里まだ起きてんのな」 隣の家から光が漏れてる。 まだ起きてるか電気つけっぱなしで寝てるか。 たぶん…前者。 稔 「…明日があるっていうのにまーだ遊んでのかねあいつは」 そう、日付が変わって今日も勉強会なのだ。 …。 稔 「よし、今日はばっちりやるぞ!」 伊万里「うん!今日は昨日より早めだね」 時間は朝の9時。 昨日はあのあとすぐ解散したけど、やっぱり遅れが気になった俺は遅れを取り戻したい、と早めの勉強会を提案した。 稔 「それよりお前ちょっと疲れてねえか?」 伊万里「そ、そんなことないけど?」 稔 「昼はもう勉強するって決まってんだから早めに寝ろよ?」 伊万里「あはは…」 朝方のことについて触れたつもりはないし、たぶん伊万里もそうは思ってない。 稔 「じゃあ俺は昨日の理科の続き、伊万里は時間のかかりそうな英語をやっててくれ!」 伊万里「ラジャー!」 稔 「眠くなるから昼メシは軽めに、飲み物は飲みすぎない、能率を考えて疲れたらちょっとでも休むこと!が今日の生活目標な」 伊万里「オッス!」 稔 「あとな、伊万里」 伊万里「?」 稔 「俺が寝たら起こしてくれな」 伊万里「え、あ…うん、がんばってみる」 稔 「あのな、がんばるじゃなくてちゃんと起こしてくれよ」 伊万里「う、うん」 寝ればスッキリするけど、起きた時に伊万里だけ宿題が終わってたという寝ざめの悪さと言ったら形容しがたい。 ……。 …。 ―午後1時― 稔 「ぐう…」 伊万里「もう、みのりんまた寝ちゃってる…」 稔 「ん…」 伊万里「でもかわいいなー…昔よくみのりんとお昼寝したっけ…懐かしいなー…」 稔 「んあ…」 伊万里「起こせって言われてたっけ。でも起こすのもったいないなぁ…」 伊万里「あ、いいこと思いついた! 写メ撮っちゃお」 カシャッ 伊万里「よし、起きて、みのりーん」 ゆさゆさ 稔 「おお伊万里よ…くあ……ふあーあ、おはよ」 伊万里「おはよ」 稔 「あ!!やべ、俺また寝ちゃってたみたいだなー」 ○び太くんじゃないけど、俺は即寝の才能でもあるのかね。 伊万里「でも今日はちゃんと起こしたよ?」 稔 「うん、よしよし偉いぞ」 伊万里「えへへ」 寝た俺が褒めてどーするんだ。 稔 「で、どこまで終わらせたんだ?」 言わずもがな、俺の寝ている間に宿題をどこまでやったか、ってこと。 サボった俺が言うのは大変失礼だが、結構進んでないかなー、なんて期待してる俺がいたりする。 伊万里「まだ半分も行ってないよ。なかなか終わんなくって。みのりんは?」 稔 「え!?俺は確か…半分とちょっとだ……多く見積もって」 伊万里「そっか。じゃあ今日は進めるだけ進もっか」 作業容量的には伊万里のが断然上なのに、それを鼻にかけないというか俺を責めないあたりが伊万里の良いところなんだろう。 それが伊万里の優しさでも、俺に与えられたのは罪悪感だけ。 稔 「ま、まあノルマ一週間だから別にそんなに急がなくてもいいしな」 そんなことで取り繕ったつもりの俺が大変惨めでしたとさ。 ああ、情けない。 伊万里「うん、でも早く遊びたいからがんばろうね?」 稔 「ああ」 伊万里「もうお昼だし今日はボクが何か作るよ」 稔 「いやいやすまないねえ」 バタン 稔 「まったく、がんばるなあアイツも」 遊びたい気持ちってのはここまで人を動かすのだろうか。 いや、伊万里ちゃんは昔から頑張り屋さんだからなあ。 稔 「…ん? これあいつの理科の宿題じゃんか」 稔 「…。」 稔 「……なんだよこれ」 伊万里「夏と言えばそうめんでーす!」 稔 「…ああ」 伊万里「と言いたいけど、コレはひやむぎでーす!天かすとか海苔とかもあるから一緒に食べてよ?」 稔 「…ああ」 伊万里「氷が無くなったら持ってくるから言ってね!」 稔 「…。」 伊万里「どしたの?みのりんってひやむぎ嫌いだったっけ?」 稔 「いや…お前さ…」 これを聞かないとメシがまずくて食えたもんじゃない。 伊万里「あ、七味唐辛子だね、待っててすぐ持ってくるから!」 稔 「待てよっ!」 ガシッ!! 思いっきりつかんだ右手。 たぶん痛い。けど伊万里はそれを痛がりもしない。 伊万里「え?え?どったの?しょうがとかワサビのがいい?」 今の気分じゃどんな調味料でもメシを美味くすることなんてできなくて。 稔 「さっきお前の理科の宿題見た」 伊万里「あー」 稔 「なんで理科の宿題やってあるんだよ……」 まだ途中だけど、伊万里のそれは俺よりちょっと進んでいた。 伊万里「あはは、見ちゃったんだ」 稔 「まだ俺、お前に宿題見せてねえよな」 伊万里「えっとね、それはね」 稔 「俺が理科の宿題すら終わらせるわけねえと思ってたのかよ、それで自分で進めてたんだろ?」 伊万里「え?ちがっ…」 稔 「お前、半端に優しいからな。俺が終わんなくても自分でやって、終わらなかった俺のことフォローしてくれるつもりだったんだろ?」 伊万里は優しい。それは俺が一番よく知っている。 けど、時にそれは人を傷つけたりして。 伊万里「違うってばみのりんっ!!」 幼なじみの必死の訴えにも耳を貸さない。 いや、貸せない。 伊万里の言葉を聞いたらきっと伊万里を許してしまう。 だからこれは、俺の惨めだけど譲れない意地。 稔 「お前、俺をそういう目で見てたんだな…、でも俺だってやるって決めたらやる男なんだよ。お前なら分かってくれてると思ってた」 伊万里「みのりん!!」 稔 「…帰るわ。悪いな、そうめん…じゃなくてひやむぎか。なんか食う気しねえから」 伊万里「ねえ聞いてってばみのりん!」 バタン… 伊万里「みのりん…」 ……。 …。 俺、藤宮稔は、2×世紀始まって以来の悪童として知られ、悪そうな奴らはみんな友達。 タバコ・酒・ギャンブルはもちろん、深夜のコンビニでたむろしたり、落とし穴を掘ってみたり悪い事ならなんでもしてきた。 伊万里「ねえ聞いてよみのりん!」 …っていうのはほとんどウソで、通知表を覗けば成績も運動も普通。 真面目でも不真面目でもないごく一般的な人間として認知されてきた…はず。 伊万里「ねーねー!あ、おいしいお菓子用意してるよー!」 まあつまりは波乱もなくごく平凡な日常を送っていたわけで、とりわけ目立たない人間だと言っていい。 長所もなく短所もない。 伊万里「みみみみのりーん♪みみみみのりーん♪つおくて優しい子~」 だがそのくせプライドだけは高くて、幼なじみの前では常に強気で… 伊万里「その名は~み~の~り~ん」 稔 「…。」 伊万里「みろりーん♪」 ガラガラッ 稔 「いいかげん近所迷惑なんだよお前は!」 伊万里「あ、みのりんだ」 稔 「呼んだくせに“あ、みのりんだ”じゃねえの!」 どういうシチュエーションかっていうと、俺の隣の家がこの小金沢さんの家。 で、俺の部屋の窓を開けるとすぐ伊万里の部屋。 なもんで、窓越しだろうが声をかけると普通に聞こえてしまう。 稔 「さっきからおま、1時間ずっとこんなんだろ!?」 俺が伊万里の部屋を出て行ってからずっと伊万里の呼び声が聞こえていた。 伊万里「だってみのりんがお話聞いてくれないんだもん」 稔 「俺だって俺の時間が欲しいの!」 伊万里「そんなのカンケーないもん」 …どうやら隣の家の幼なじみは俺を感傷に浸らせてくれないらしい。 稔 「あのなあ、クーラーをつけたがらない俺がクーラーつけず窓を閉め切ってんの!このクソ暑い中で!なんでか分かる!?」 伊万里「ボクがうるさいから?」 稔 「大正解っ! …じゃなくて分かってんならやめろよ!」 伊万里「もういいから話を聞いてよみのりーん」 稔 「ふん、聞きたくないね!」 伊万里「みーのりーん」 稔 「…。」 俺とこいつは十数年来の付き合いで。 伊万里「みのりーん…ぐすっ…」 稔 「…うぅ」 もちろん泣き脅せば聞いてくれるだろうとか知ってるわけで。 伊万里「ねえ、みのりーん…」 稔 「お、俺だってお前を信じてたんだ!十数年の付き合いで、毎日のように顔を合わせてもう家族ぐらいに思ってたってのに、なのにお前は…」 伊万里「みのりん…」 稔 「お前が一人で宿題やってたって知ったときはどれだけ惨めだったか…!胸が張り裂けそうだったさ!俺はこうも信用されてないのかと!」 伊万里「だーかーらーみのりーん…」 稔 「ははは…お前昨日夜遅くまで起きてたよな?あれ、宿題やってたんだよな?俺のために。なのに俺は“早く寝ろよ”なんて言ってよ」 伊万里「だから勘違いだってば!」 稔 「なにが勘違いなんだよ!」 伊万里「ボクが単に嫌だったの!」 稔 「なにがだ!?俺と一緒に宿題をやるのがか!?だったら先に言ってくれよ!」 伊万里「ちゃんと自分の力で宿題やりたかったの!ぜんぶ!だから1人で進めてたの!」 稔 「は?」 そういえば最初になんか言ってたような… “いいのかなあ。そんなんじゃ力つかないよ?”とか… 伊万里「みのりんはボクの宿題を見てもいいけど、ボクはボクの力でやり遂げたかったの!…もともと1人でやるものだし」 稔 「う……だ…だってお前…今さら…そんなの信用できるかよ」 伊万里「あー!みのりんこそボクを信用してくんないじゃん!」 稔 「いやだってお前さっきひとことも言わなかっただろ!」 伊万里「みのりんはちょっとでも聞いてくれようとした!?」 稔 「伊万里は聞いてほしいって態度だったか!?」 ガチャッ ひめ 「みのるくん」 稔 「ね、姉ちゃん?」 ひめ 「仲、良さそうだね」 稔 「え?」 バタンッ 伊万里「みのりんなんていじけてただけじゃん!人の話も聞かずにうじうじしてさ!」 稔 「…。」 伊万里「ちょっとお、聞いてんのみのりん!?」 稔 「…。」 結局、醜い痴話喧嘩は全面的に俺が悪かった、ということで解決した。 俺の、行き場のない苦悶と葛藤とわだかまりを残したまま。 < 【back】 【next】 >
https://w.atwiki.jp/16seiten/pages/1412.html
弾ける光球から現れたその姿は、人々からすれば、白き鋼の鎧に太陽の如く光り輝く雄雄しき翼を携えた、 まさしく混迷の大地に神が遣わした太陽の戦神そのものであった。 「・・・すげぇ、なんだ、ありゃ・・・? つかあれランスロットじゃね?」 「お前の言うことは偶によく分からん」 「あれって・・・ロボット? でも、他のに比べると随分小さい・・・」 「でっかけりゃいいってもんじゃない! っておねーちゃんがいってるの」 「ええ・・・それは、まごう事なき真理真実ね」 「何の話をしている? ともかく、もう少し逃げたほうがいいだろう。幸い敵の注意はあれに向いている」 「だな、後はアレに任せるとするか」 天より舞い降りた戦神の中では軽い痴話喧嘩が発生していたが、それもひとまず沈静化。 「でだ麟音、大丈夫か?」 「ええ、もう大丈夫。それよりも、この状況は」 「どう見ても、やったのはあの黒いロボどもだな。どう見てもMMMICSじゃないし、マシンゴーレムの類でも なさそうだ。ソーレッタ、生態反応は?」 <むむむむ・・・うむ、わかったのです! コアチップCPUからの命令伝達と処理解析速度向上のために おそらくはクローニングで大量生産した脳神経組織を使ってはいますが、定義上は無人です!> 「ちっ、ドイツ語読みの17・18じゃあるまいに、どんな糞野郎が考えた制御法だっての。そりゃ確かに 人の頭脳を100%使って並列化すりゃCPUにゃ勝ち目は無いとはいえ、だったら作って混ぜりゃいいだろって」 「汚らわしいにも程があります。宗次君、やってしまいましょう」 「だな。どうやら向こうもやる気みたいだし・・・学園に飛んでた頃以来か、MMMICS以外と戦うってのは。 だがもういい加減ゴーレムとかドラゴンの相手は勘弁してくれよなぁ!」 光の翼をはためかせ、鋼鉄の戦神が黒き巨人へと飛翔する。 <突然何事かと思ったけれど、そんな精々6m程度のロボットがいきがった程度で、何が出来ようと いうのかしらねぇ? やってしまいなさいジュ・ゲイム!> ジュラフマーより高らかに響くファウストの声に従い、ジュ・ゲイムの一機が白いロボットへ立ち向か 「遅い!」 白き戦神は輝く光の矢と化し天を翔け、腰に据えた翼状刀を抜き放ち、ジュ・ゲイムを一閃の下に両断する。 「まずは一体! ・・・つか、どんだけヤワい装甲使ってんだ? 合金トイよりヤワいって・・・そうか、 さすがに1000年前じゃ重粒子合金系やナノメタルマテリアルの類は作れないのか」 <な、い、一撃ですって!? ・・・た、たかだか一機倒したくらいでいい気にならないことね! それにその速度、どうやら音速以上のようだけれど、どこまでソッチの体が持つかしらねぇ?> ファウストFはジュ・ゲイムの群れを散発的に襲わせることで、パイロットの気力と体力を削ぐ戦術に出る。 だが、宗次にはその程度の戦略など意味がない、むしろチャージのためには好都合。 デカブツの中の人には残念なようだが、このディヴァイザーはマッハ5を想定して機体強度を設計しているし、 コクピットブロックの慣性制御機構もそれに準じたものを備えている。 それにこちとら「瞬転」のESP持ち、速さに関しては生涯一度も苦になるような場面に出くわしたことはない。 さて、そいじゃいい具合にあったまってきたし、そろそろ一発かましてやりますかね・・・ 「ソーレッタ、WBDチャージ効率算出!」 <はいな! WBD充填量、問題ナッシングです!> 「よっしゃ、やるか!」 両腰の翼状刀を手にし連結、腕部グラビティワイヤーのアンカーに固定し、投擲の要領で勢い良く振り回す! 唸りを上げて風を切る刃はやがて「波動」の停滞により固着された重力子と、それに引き寄せられた 光子の収束により眩い輝きを放ち始める! 「光牙の舞、烈光の刃、避けられるものなら避けてみな! ウィング・ブレイダー・ディバイド!!」 高速旋廻する光纏う刃が、暗雲を切り裂きジュ・ゲイムの円環の群れに食いつき、そのまま一気に円周上の 機体群を爆砕し突き進む! 次々に爆散するジュ・ゲイムを遠目に見つつ、 <そ、そんな馬鹿なことが・・・30機のジュ・ゲイムがこんな一瞬で・・・!?> ファウストは驚愕する。 自分が作り上げた現在のボディでもあるこのジュラフマーもそうだが、ジュ・ゲイムも、単機であらゆる任務を 遂行するために知りうる限り最高水準の知識と技術をつぎ込んで完成させた逸品であることに違いは無い。 そんな我が手足となるべき存在が、かくも容易く破壊されるものなのか・・・!? 否、そんなことが断じてあるはずがない! <行きなさいジュ・ゲイム! あの喧しい虫を叩き潰してやりなさい!> 近接戦で両断あるいは赤熱爆砕された5機、今の攻撃で30機をものの10分足らずで失い、残る15機の ジュ・ゲイムに命じるより他無い。ジュ・ゲイムで時間を稼いで、収束荷電粒子砲でこの世界から跡形もなく 消し去ってやる・・・! 「ソーレッタ、残りは?」 <小さいほうが15機と、あとデカいのが荷電粒子砲のスタンバイを始めてるようですよ?> 「荷電粒子砲? 今更あんな500年前にフォトンブラスターに取って代わられた骨董品で何を、って ココじゃ最新以上の武器なのか・・・とはいえ撃たれたら俺らは無傷でも地表面が面倒になるな」 「それに、あの巨体は普通に倒したんじゃ、落下時点で被害を極小にするのは難しいわ。小さいほうなら 必要以上にダメージを与えて破壊するかレッド・インパクターでどうにかなったけれど」 「だよなぁ・・・なぁソーレッタ、あのデカブツ確実に消すにゃ、やっぱ70は要るよな?」 <アーカイバのSGN射出ログとシミュレート、敵さんの推定質量からすると、やっぱり70は欲しいですねぇ> 「となると、専念すべきか・・・すまん麟音、ユーハブコントロール」 「畏まりまして。アイハブコントロール」 「メインシートはSGNチャージモードへ移行。ESP SEED、Break Out!」 宗次の全身を金属繊維と特殊金属で出来たメタルフルコートが被い、右腕も特殊金属製のガンドレットが 装着される。それと共にSGSドライブ及びHSLの臨界駆動パラメータ値やESP充填度パラメータ等が表示された ホロパネルが多数展開される。 「私の役目はあくまでも時間稼ぎにてございますれば。麒宮 麟音、参ります。麒宮流薙刀術の冴え、 遙かに古の世にも知らしめて差し上げましょう」 ジュ・ゲイムを大量に爆砕し帰還した翼状刀は、収納された柄が伸びてそのまま双刃薙刀となる。 SGSドライブが唸りを上げ、HSLが周囲に拡散する魔素を吸い上げ始める。 <推力が落ちた・・・? ふふ、どうやらさっきので著しくエネルギーを消耗してしまったようね? ですが残念、こちらにはまだまだ駒はあるのよ!> 「品性の無い人と話すほど暇ではありませんので、静かにしていていただけますでしょうか」 さらりと言ってのける麟音はディヴァイザーを駆り、流麗乱舞。 ESP技能により機体性能を100%発揮できる宗次と違いあくまでもチャージモード時の防衛用でしかないが、 元々の機動性能の高さや柔軟性は、麒宮流薙刀術を扱うには申し分の無いレベルである。 さらに麟音は薙刀を使わせたら文字通り右に出るものは居ない、史上最年少免許皆伝の名誉を受けた逸材。 となれば、二人にとっては時代遅れのジュ・ゲイムに遅れをとることなどありはしない。 「せぇい! まずは一体! ・・・宗次君、どの程度時間を稼げばよろしくて?」 「70まで上げるとなると、そうだな、5分くれ!」 「心得ました。5分で14体、何とかなるやも知れませんわね」 麟音はディヴァイザーをジュ・ゲイムの群れに向かわせる。 その戦い、舞うが如し。ジュ・ゲイムはディヴァイザーに触れることすら叶わず、次々と爆砕する。 「申し訳ございません、私では下に被害が出ないように倒すのは難しいので、せめて人の居ないところに」 人気の無い場所を目視確認した上で、そこにジュ・ゲイムの残骸を叩き落していく。 <SGSドライブ及びHSLの臨界突破値180、グラビトロンチャンバー1への光子充填量250を突破。放射口開放、 余剰光重力のスラスター及びPMWへの転換を開始します> 「やっとこさ50、もうちょい頼む!」 「お任せあれ!」 背部ウィングの光がさらに光度を増し、煌きが戦場を駆け回る。 「・・・おいおい、MAPWに気力連動特殊機能持ちか? 大概だなありゃ」 「言ってる意味はよく分からんが、とりあえず凄い事なのだと言う認識で居ればいいわけだな」 「にしても、最後の最後、一番オイシそうな出番盗られちまったなぁ・・・」 既に蚊帳の外と化した翠や苓達は、戦場を離れつつ天上大決戦を見守る。 <ジュ・ゲイム、全滅・・・!? まぁいいわ、時間稼ぎは出来たわ!> ジュラフマーの腹部シャッターが開き、複数設置された砲門が中央部に集約される。 <ざぁんねぇん! 遅かったようねぇ! さぁ、これでも喰らいなさい!> 意気揚々と砲口を白いカトンボへと向け、高らかに勝利を確信し吼えるジュラフマー。 「ソーレッタ、蓄電量から推定照射距離、照射時間の算出と弾いて一番被害の出ない角度を算出!」 <あいあい!> <さぁ、消し飛びなさぁい! 収束荷電粒子砲、発射ぁ!> 現行世界の化学工学では明らかにオーバースペックな、必殺とも言える破壊の閃光が、今放たれる! 「麟音、アイハブ! それが・・・どうしたぁあああああああああああああああ!!!!!!!!」 排気口とPMWから黄金の閃光を迸らせ、翻る翼が破壊の閃光を打ち据える! 「うぉおおおおおおおおおおお! っらっしゃあああああああああああああ!!!!!」 黄金色の翼に激突した荷電粒子砲は、その牙を何にも突き立てることなく、電荷の自然放電と拡散により 一切の用途と果たすことなく消滅する。 <そん、な、ばかな・・・荷電粒子砲を弾き飛ばすなんてそんな> 「時代遅れの骨董品ごときで、俺達を如何にか出来ると思うなよ!」 <それなら、圧倒的かつ絶対的な質量差で押し潰してやるわぁあああ!!!> 推力100%で驀進するジュラフマーと、それを静止し待ち受けるディヴァイザー。 推進の勢いに、300tを超える質量が乗り、ジュラフマーの拳が発揮する威力は、直撃すれば荷電粒子砲と 遜色ないだけの破壊力を秘めている。 <この一番単純で粗暴ながらも確かな破壊力、その身でとくと味わい> 「んなもん効くかよ!」 全高以上の大きさの拳の接近を、タイミングを合わせた払い腕で弾き飛ばす! <ばかなぁあああああああああ!? そんな細い腕でそんな、ありえない!?> 「大図書館の隅っこにあった本で覚えたスキルだが、まさかまた役に立つとはなぁ!」 腐女子の巣窟と化していた大図書館の片隅で、とある学園生の父親にしてあの世界で最も凶暴かつ恐ろしい 魔女王の旦那が執筆したらしい学術論文やら、半分ライトノベル気分で読んだ歴史書やら、意味もなく 読んでみた魔道書やらと一緒にあった、「私のいい考え百選」とかいう本に載っていたので冗談半分で 頑張ってみたらホントにどうにかなってしまった「大きさの概念を棄てる」スキル。 ドラグガドリウムとの戦いで大いに役立ったスキルだが、今またこうして役立てる機会が来るとは。 「中の人はデフォでサイズ差補正無視持ちか・・・」 「またよくわかんない単語が出てきた・・・バカ兄、ゲームのしすぎじゃない?」 至極分かりやすい単語も、知らない人からすれば何のこっちゃである。 「さて、そろそろ終わりにしようか! SGS及びHSLオーバードライブ!」 全身から黄金の闘気を巻き上げるが如くに光子を噴き放ち、瞬間、ジュラフマーに肉迫、 「おおおおおぉぉおおおおおぉぉ!!!!!」 ディヴァイザーの拳と蹴りがジュラフマーを打ちのめし、 「次はこいつだ!」 翼状刀を両手に構え、蹴り飛ばしたジュラフマーに追いつき、その全身を駆け巡り切り刻み、 「連結ランサーモード、麟音、ユーハブ!」 「アイハブ! はぁぁああああああああ!!!」 切り上げ上空に叩き上げた巨躯を薙刀が織り成す流星の舞が襲い、 「ウィンガーモードへ! ユーハブ!」 「アイハブ! WBDと同時に脚部パイルバンカースタンバイ、地表面に向けてアンカー射出!」 上空高く、満身創痍のジュラフマーへ倒滅の光刃が迫ると同時に、ディヴァイザーは地上へ急降下する! 「対ショック備え! 麟音、舌噛むなよ!」 麟音が頷いた数カンマ秒後、爆音と共に地上へ降り立つ。 <な、ぐ、一体、何を、するつもり・・・!?> ロールアウトしてからまだ3時間と経過していない、なのになぜこの至高にして究極の機械神ジュラフマーが これほどまでに損傷しなければならない!? 既に損耗度は70%を越え、稼動限界損耗を上回っている。宙に浮いていなければ自重で潰れていても おかしくは無いレベルにまでこの機体を損壊させられるなど、あっていいことではない! 何故だ! 「知識」の宝珠から引き出したデステクノと世界各地の最高水準の頭脳を結集、あるいは知識のみ 吸い出させて結集させた現在人類の英知の全てをつぎ込んだ筈のこのジュラフマーが、何をどうしたら あんなカトンボ風情にこれほどまでに破壊されねばならない!? <こちらもただやられていたわけではなくってよ! 荷電粒子ほ> 「サイキック、ウェイィィィィィブ!!!! ってなもんだぁ!」 両腕にインパクターガンドレットを展開、敵を拘束する「波動」のESPを打ち込まれたことで、ジュラフマーは 完全にその行動を封じられる。 「ソーレッタ、標的の高度算出! 5000越えてるかどうかだけでいい!」 <あいあい! 現在敵さんの高度は5380±10、黒雲突き抜けなおも上昇中!> 「オーライ、んじゃ、対ショック閃光防御! アイカメラシャッターON、照準、トリガー!」 <いえっさ! 準備万端整いまして!> 「フォトングラムシリンダー展開、パベルノン・クラスター開放、Gチャンバー1射出シークエンスへ移行! 旅立て、星生まれ出ずる輝きと無限の虚空の彼方へ! 光子超重力爆砕太陽砲(ソル・グラヴィトン・ノヴァ)、ぶちかませぇぇぇぇえええええええええ!!!」 宗次の雄叫びと共に引き絞られたトリガーに合わせ、胸部から漆黒のエネルギー体が極超音速で、 ジュラフマー目掛け一直線に撃ち放たれる! <そんな単発弾ごとき・・・な、なにこのエネルギー量、まるで> ファウストF、ならびにジュラフマーの思考はそこで絶える。 極大音の爆砕の中にジュラフマーは完全無欠なまでに破壊され、光子の高濃度圧縮と衝撃破砕による 地を焼き尽くすほどの熱量と直視した者の眼を焼き尽くす閃光、耳を突き抜ける爆砕音、その全ては 一拍明けて空間を割り開かれた虚空の顎へ飲み込まれ・・・一陣の烈風のみを残し消え去る。 烈風は立ち上る戦火を吹き消し、黒雲を吹き飛ばす。 黒雲吹き去り再び開かれた空。 動乱の終結を祝福するかのごとく、ベルリンの町を、赤々と曙光が照らしていた。 「ふぅ・・・ひとまず終った、か。さてどうすっか」 <ひとまず極東共栄圏諸島政府、じゃなかったこの時代だとニッポン、ですかね? そこに行くのは どうでしょう? この時代ならマスターが良く行く神田の特別閉鎖区も普通の町並みですよ!> 「そういえば、この時代には2937年の対火星動乱で沈没したオキナワ島は健在で、G兵器の直撃の余波で 閉鎖された地域も、極普通の街なのよね?」 「ま、それに俺らが生まれる1100年前、でないかも知れんが、とりあえずは故郷のようなもんだ。ひとまず 行ってみることにしようか。ソーレッタ、各所チェック、クールダウンまであとどの程度掛かる?」 <あと580秒といったところです。とりあえず普通に稼動するのであれば問題ないのですよ~> 「よし、じゃ、そろそろ行くか。長居は無用、変に絡まれるわけにもいかんしな」 ディヴァイザーは再び飛翔、瞬く間に暁紅の中へその姿を消すのであった。 人々は、閃光と共に現れ、太陽の如き輝き纏い悪鬼を打ち倒したその鋼の戦神を、神が遣わした 神聖なる機動戦神、Divine Weapon と呼び語り継いだと言う。
https://w.atwiki.jp/makolifework/pages/31.html
プロローグ 「それは、むかーしむかしのお話です。あるところにお父様とお母様を亡くし深い悲しみに暮れる幼いお姫様がいました。そんなお姫様の前に白馬に乗った、旅の王子様が現れます。凛々しい姿、優しい微笑み。王子様は、お姫様を薔薇の香りで包み込むと、そっと涙をぬぐってくれたのでした。「たった1人で深い悲しみに耐える小さな君、その強さ、気高さをどうか大人になっても失わないで」と。「私たち、また会えるわよね」「その指輪が、君を僕のところに導くだろう」王子様がくれた指輪は、やはりエンゲージリングだったのでしょうか?……それはいいとして、お姫様は、王子様に憧れるあまり、自分も王子様になる決意をしてしまったのです。でもいいの〜?ほんとにそれで〜。 若葉「うーん、遅いなー もー、いつまで待たす気かしらー!新学期早々遅刻しちゃうじゃない」 女子生徒「若葉ー!何してるの?そんなとこで」 若葉「ひひん。彼氏と待ち合わせなのさー」 女子生徒「彼氏?ははーん、あんた、振られたわね。彼氏ならとっくに朝寮を出たわよ?」 若葉「うっうっ、おのれ、ゆるさーーーーん!」 カツコツカツコツ ウテナ「ん?」 先生「天上ウテナさん、あなたは新学期になっても、そのヘンテコな格好を続けるつもりですか?」 ウテナ「ヘンテコ〜?」 先生「ヘンテコ」 ウテナ「男子はみんな似たような格好してますよ〜?」 先生「あなたは女子!だから!なぜ男子の!制服を!着ているの!ですかぁーーーーー!」 ウテナ「うーん。女子が男子の制服を着ちゃいけないって校則はないなー。問題ないです。じゃ、そういうことで!」 先生「おのれ……新学期も誤魔化し続けるつもりだなー?」 キャーーーーーー キャーーーーーー ウテナさまーーーーーー 男子生徒「あーあ。やれやれ。また完敗か」 キャーーーーー あー、ウテナさまー!私のタオル使ってくださいーーー ウテナ「はいはい、順番にね」 男子生徒「ふふん。なあ天上?お前がうちのバスケ部に入ってくれたら地区予選は楽勝なんだけどなー」 ウテナ「あのねぇ、僕は女子!嫌だ汗臭い男子に紛れてバスケやんのはー」 男子生徒「いいじゃーん。男子みたいなもんだろう?天上は」 ウテナ「失礼なこと言うなよな?」 男子生徒「じゃあ、なんで学ランなんか着てるわけ?」 ウテナ「王子様だよ」 男子生徒「はぁ?」 ウテナ「僕は、守られるお姫様より、カッチョいいい王子様になりたいの!」 男子生徒「なんじゃそりゃ」 ウテナ「あ……この香りは。 薔薇の、香りだ。いつからだろう。薔薇の香りに懐かしさを感じるようになったのは ん?あれれ、なんだ?痴話喧嘩かー?そーいうのは人の見てないところでやってよねー」 パチン! ウテナ「おいおい。ちょっとやり過ぎだよー」 ガシッ ウテナ「は、よかったー」 若葉「こらーーーー」 ウテナ「若葉、重いーーー」 若葉「さ、私をおいてきぼりにした罰よ!謝んなさーい!」 ウテナ「んあ、はいはいー。」 若葉「あら?西園寺様」 ウテナ「西園寺?」 若葉「知らないのー?西園寺様をー」 ウテナ「へー、有名人なんだ。 手前のやつは知ってるよ?確か生徒会長の桐生冬芽だろう?」 若葉「そ。で、もう1人の方が副会長の西園寺莢一様」 ウテナ「あの、女の子は?」 若葉「ん、ああ、姫宮アンシーよ?」 ウテナ「姫宮アンシー」 若葉「頼まれもしないのに薔薇の世話ばっかりしてる変な子。今日から私達と同じクラス。」 ウテナ「ふーん。西園寺って、あの姫宮って子と付き合ってんの?」 若葉「まさか! 硬派な西園寺様が、あんな子に関心を持つはずがないわ!同じ生徒会だから、一緒にいるだけよー」 ウテナ「若葉ってあーいうのがタイプなんだー。フーン」 若葉「もうやーねー、妬いたりしてー。心配しなくても、私はウテナだけのものよー? だってだってもうその辺の男子よりずっとずーーとカッコイイんだから〜」 西園寺「急な呼び出しだねえ、生徒会の諸君」 幹「西園寺さん、僕たちは薔薇の刻印により選ばれたメンバーです」 有栖川「掟を守ることは、我々の唯一のルールだってことを、忘れるな」 桐生「西園寺、近頃お前の花嫁の接し方には、少々問題が」 西園寺「へー、そうなのかい」 桐生「確かに花嫁は今、お前とエンゲージしてる。だがそれは、節度なく好き放題していいってことじゃない。」 幹「好き放題」 有栖川「好き放題って?」 桐生「花嫁への、乱暴はよせ、西園寺。我々生徒会の存在は、世界の果ての意思だそのことを知れば、世界の果ても決して快く思うまい」 西園寺「ッフフフ、余計な御世話だ。花嫁は現在、僕とラブラブな関係にある。他人の君たちにとやかく言われたくないねぇ。」 ピッ 幹「ラブラブ……」 アンシー「私は今、西園寺様の花嫁です。全て西園寺様の思うがままです」 西園寺「まあ、2人はそういうことだ。そこまで、薔薇の刻印の掟に拘るんなら、掟通り、決闘で花嫁を勝ち取るんだなぁ。生徒会の諸君。」 桐生「すぐにも次の決闘があることを忘れるな」 西園寺「誰が挑んでくるか楽しみにしてるさー。ハッハッハッハッハ」 アイキャッチ 若葉「わー、綺麗ねー、薔薇の模様。ね、それって、うちの学校の校章?」 ウテナ「そう見えるよねー」 若葉「誰かにもらったの?」 ウテナ「白馬の王子様」 若葉「へ?」 ウテナ「この指輪が、君を僕のところに導くだろう」 若葉「なにそれ?」 ウテナ「確か、誰かにそんなことを言われてもらったような気がするんだけど、小さい頃だったからよく覚えてないんだ」 若葉「あるある、そういうの。私の子供の頃ね、ママに「あんたは玉ねぎ王国のお姫様よ」って言われて信じてたもんね」 ウテナ「昔からそういうおでこだったんだー」 ザワザワ 若葉「あれ?何かしら?」 ウテナ「なんだ?」 男子生徒「誰かのラブレターが貼り出されているんだってさー」 ウテナ「ラブレター?」 男子生徒「ええと、何々?「そして私は、夢の中で西園寺さんと踊っていました。あなたは優しく微笑んでいます。私って馬鹿ですよね」だってさー!ハッハッハハッハッハ」 ウテナ「馬鹿はお前らだ!」 ビリッ ウテナ「悪趣味だからこーいうのは無し!」 男子生徒「貼ってたら読むぞ、普通」 ウテナ「こーいう場合、いい男は読まない!……あ 若葉…… 若葉ー!」 若葉「ううっ、うっ……」 ウテナ「この手紙、若葉が西園寺に?」 ウテナ(許せないな。西園寺ってやつ!) 西園寺「知らないねぇ。大方僕の捨てた手紙を誰かがゴミ箱から拾って勝手に貼り出したんだろう」 ウテナ「どうして人目につくような場所に捨てた!」 西園寺「僕の手紙を僕がどう処理しようと勝手だろう。しかし、なるほどなあ。あんな馬鹿な、いや、愉快な手紙はみんなで使うのが一番の使い道だ 話しってのは、それだけかい?」 ウテナ「いや」 西園寺「ああ?」 ウテナ「あんた、剣道部の主将だってな。今日の放課後、僕と決闘だ!」 西園寺「なんだ、お前は?……そうか、君が次の挑戦者だったのか」 ウテナ「何のことだ?」 西園寺「わかった。放課後、学園裏の決闘広場で会おう」 ウテナ「森って、あの立ち入り禁止になってる森のことか?」 A子「かしらかしら、ご存知かしらー?」 B子「今日も裏の森でまた決闘があるんですってー」 A子「おー勇者さま、お友達のために戦う、お節介な勇者さま」 B子「でもでも、勇者さま?」 A子「これに掟があることを?」 B子「果たしてあなたはご存知かしら?」 A子「かしらかしら」 A子B子「ご存知かしらー?」 ウテナ「なんだよー。こんなところにどうやって入れって言うんだ?」 ガチャン(キラーン) ウテナ「やっぱり、鍵がかかってるじゃないかー」 ピチョーン ウテナ「冷たいっ」 ドオオオ ウテナ「なんだ、この入り口は? ともかく、入ってもいいってことだな!」 (♩絶対運命黙示録) ウテナ「どうして空中にお城が?」 西園寺「よう」 ウテナ「は」 西園寺「あの城を見るのは初めてだったのか」 ウテナ「なんだ?あれは。あんなの森の外から見えなかったぞ?」 西園寺「蜃気楼の一種さ。ま、手品みたいなものだと思えばいいさ」 ウテナ「蜃気楼?」 西園寺「それにしても、生徒会以外にも君のように薔薇の刻印を受け取った者がいたとはな」 ウテナ「薔薇の刻印?」 西園寺「これのことさ」 ウテナ「その指輪」 西園寺「アンシー!用意しろ」 ウテナ「姫宮アンシー 姫宮、なぜ君がここに?」 西園寺「花嫁は当然立ち会うさ。決まりだからね」 ウテナ「花嫁?はっ(この香り……同じだ。あの人の薔薇の香りと)」 アンシー「この胸の薔薇を散らされた方が負けですから」 ウテナ「え?」 アンシー「頑張ってくださいね」 パンッ アンシー「ああっ」 ウテナ「何をする!」 西園寺「ふざけるなアンシー。お前は薔薇の花嫁だ。つまり僕だけの花だ。なのに他の奴に頑張れとはどういうことだ」 アンシー「すみません、西園寺様」 ウテナ「馬鹿!こんなにされて、なんでヤツに従う!」 アンシー「西園寺さまが、今現在の決闘の勝者ですから、私を思いのままに出来るのです」 ウテナ「なんだよそれ・恋人じゃなかったのか?」 西園寺「さ、始めようぜ」 ウテナ「よく分からないけど、ともかく、奴に勝てばいいんだな」 アンシー「気高き城の薔薇よ」 ウテナ「なんだ?また手品か?」 アンシー「私に眠るディオスの力を、主に応えて、今こそ示せ」 西園寺「世界を革命する力を!」 ゴーンゴーンゴーンゴーン (♩) カキン!カキン! 西園寺「はっはっはっは」 ウテナ「くっ、くっ」 西園寺「はっはっはっはっはっはっは なかなかやるじゃないか。女の子にしてはか弱いお姫様を助ける王子様のつもりか?フッフッフッフッフッフはっ!」 ウテナ「!まさか その手品の剣、本物なのか?」 西園寺「驚いたな。なんの仕掛けもないただの竹刀で、このディオスの剣に挑んでくるとはね」 ウテナ「ディオスの剣?」 西園寺「ディオスの剣を知らないのか?君は何者なんだ?興味深い存在だ」 ウテナ「まだ、勝負はついちゃいない」 西園寺「確かに。お望みなら、一突きで胸の薔薇を血に染めてあげよう。命をかけてぼくに向かってくる勇気が、もし君にあるんならねぇ。お姫様を救う白馬の王子様。フッフッフッフッフッフ」 ウテナ「はーっ!」 王子「たった1人で、深い悲しみに耐える小さな君、その強さ、気高さを、どうか大人になっても失わないで」 西園寺「何!?」 ウテナ「はーっ!」 アンシー「ああっ!」 西園寺「馬鹿めー!」 ウテナ「やー!」 西園寺「はー!」 西園寺「そんな……僕が、負けた……はっ、アンシー」 アンシー「ごきげんよう、西園寺、先輩?」 ゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン 桐生「意外な展開だ。あの子、確か中等部の子だったないいね、ベイビィ。俺のハートに火をつけたぜ」 ウテナ「あーあ。なんだかヘンテコな目に遭わされたなー。一体何だったんだ?もう早く忘れよう あ?君は」 アンシー「お待ちしておりました、ウテナ様。私は薔薇の花嫁。今日から私は、あなたの花です」 次回予告 ウテナ「明日の放課後、決闘広場でリターンマッチだって?その生徒会の規則に逆らうものは、学園に居られなくなるって本当か?」 アンシー「いいんですか?ウテナ様。もう決闘は受けないんじゃなかったんですか?」 ウテナ「わざと負けるさ。それで問題はないわけだ」 アンシー「ええ、お好きなように」 ウテナ「次回、少女革命ウテナ 誰がために薔薇は微笑む」 アンシー「絶対運命黙示録」
https://w.atwiki.jp/streamergta5/pages/1201.html
2023年 + 開く # 動画タイトル 投稿日 配信日 1 ついにストグラ参戦!初日に濃すぎる人物に遭遇し爆笑が止まらないKentowwww 08/21 08/13 2 口説きを華麗にスルーする美人警官加賀イズミと突如のバグに思わず爆笑する黒亞ネマww 08/25 08/14 3 ストリップバーに居合わせた新人2人が癖強すぎたwww 08/30 08/14 4 突如現れた歌姫「うさぎさん」の歌唱力がやばすぎて泣いてしまうヘルアンwww 09/04 09/01,02 5 MonDにハメられてとんでもないドッキリを食らったヘルアンwww 09/11 08/15 6 しろまんた先生と殴り合ったりベジータが登場するブレイキング〇ウンが面白過ぎたwww 09/17 08/15 7 ヘルアンがALLINに加入した経緯といきさつについて。 09/27 09/06,11.12 8 天鬼ぷるるの止まらない喋りに爆笑が止まらないヘルアンwwww 10/02 09/07,14 9 RBさん ジャーク武さんにドッキリしかけてプレゼントしてみた結果・・・ 10/12 10/03,04,07 10 サンクチュアリたえこが濃すぎてALLINメンバーの総ツッコミが面白過ぎたwww 10/21 10/04 11 AKA先輩とヘルアンの初対面がツッコミどころ多すぎて面白過ぎたwww 10/25 09/15 12 街最強の3ギャングボス+ヘルアンで行った大型客船強盗がヤバすぎたwww 10/30 10/25 13 誕生日の白井満太にドッキリしかけてうさぎさんの歌を聞かせた結果… 11/04 10/20 14 猫マンゴーと撃ち合いに負けたと思ったら大英雄が来て感動するヘルアン 11/07 10/30 15 エスタークがついてはいけない嘘をついたのでギャングとして沈めてみた 11/09 09/21 16 ズズがMonDボスに〇〇してしまい詰められてしまう… 11/13 10/19 17 1期生+2期生の自己紹介とチンチロ大会が面白過ぎたw 11/15 09/16 18 無馬かなと相談し香月ろぎあの元へ駆けつけるヘルアン 11/21 11/04 19 久しぶりに起床した八雲ベニとキャップのデートをストーカーするALLINの総メンバーwwww 12/03 11/23 20 薬乃ミミ先輩に今のALLINと昔のALLINの違いを聞いて〇〇するヘルアン 12/06 11/25 21 薬乃ミミ先輩に救われた恩を返すヘルアン 12/08 11/27,29 22 ひたすらボケるうさぎさんとひたすらツッコむヘルアン。 12/10 12/06 23 新人の冬野雪に車プレゼントと大型犯罪を教えるヘルアン 12/13 12/11 24 銀行強盗で自転車チェイスを難波ハルに持ち掛けたらまさかの結末だったww 12/18 11/21 25 久しぶりに帰還したRBに感極まって近況を話すヘルアン 12/19 11/30,12/01 26 月見ゆいの悩みを聞くヘルアンとエスタークZダークネス 12/20 12/16 27 VCR勢が冬眠中に椎花まほとコントを繰り広げたりふざけまくるヘルアン 12/21 12/12 28 GBCとヘルアン1人で合同ミッションを行った結果、ギャングとしてのGBCを体感する 12/23 12/02 29 香月ろぎあが特別市民から一般市民へ昇格し、話し合うことに。ヘルアンの出した答えは… 12/25 12/23 30 クリスマスの特別コースに誘ってもらったヘルアンと香月ろぎあ、メニューがガチすぎた… 12/27 12/25 31 ALLIN新章!ついにGBCとの抗争が決定!しかし提示条件に疑問を覚えるMonDとRBに対して… 12/28 12/25 32 エスタークがミスを犯し1晩でALLINをクビ!?その理由が面白過ぎたwwww 12/29 12/22 33 Selluが3カ月ぶりに帰還!感極まるヘルアンとストグラ内外問わず神連携を魅せる 12/30 12/26 2024年 + 開く # 動画タイトル 投稿日 配信日 34 誰でもわかる大型飛行場ミッション講座を冬野 雪に伝授するヘルアン 01/01 2023/12/16 35 1期生と2期生で大型客船!だがRBと検証の結果衝撃の事実が判明する 01/02 2023/12/25 36 ALLINのボスMonDのアドバイスが的確過ぎて大型ミッションで覚醒するヘルアン 01/03 2023/11/18 37 お互いの正体と分岐点を知るうさぎさんとヘルアンが1年を振り返りBMCで語った結果… 01/05 2023/12/31 38 香月ろぎあさんと初詣に向かい、予想外の黒い発言で爆笑するヘルアンwwwwww 01/08 2024/01/02 39 最強のCR3人衆にろぎあんをいじられまくるヘルアンと結果的に不憫なエスターク 01/10 2023/12/28 40 銀行強盗からまさかのギャングから誤射!?とんでも展開に予想外の犯人に爆笑するヘルアン 01/12 2024/01/03 41 銀河一アニキとヘルアンのヘリバトルのオチが予想外過ぎたwww 01/14 2024/01/05 42 GBCとの抗争内容が決定、無馬かなとマクドナルドの駆け引きに異様な違和感を覚えるヘルアンとALLIN一同… 01/16 2024/01/10 43 試験的に実装された装甲車の性能と強さを実戦するALLIN一同が面白過ぎたwwww 01/18 2024/01/11 44 冬野雪から衝撃の告白。全ての思いを安城成に託すヘルアン 01/20 2024/01/14 45 ストグラにしんちゃん参戦!?春原新(すのはらあらた)に笑いが止まらないヘルアンwwwwww 01/21 2024/01/11 46 CPUとヘルアンが安城成と冬野雪のあな雪ヘイストやってみた 01/22 2024/01/17 47 AKAが久しぶりの起床!パシフィック前につぼ浦参入し全てが混乱になるALLIN 01/24 2024/01/18 48 冬野雪×安城 ヘルアン×香月ろぎあのWデートのはずが逆にてぇてぇを摂取する事態に…!? 01/26 2024/01/23 49 全ての金を注いでカジノに賭けるCPU、大型ミッションの2億円を全てギャンブルに注いだ結果… 01/27 2024/01/06 50 ついにダイヤモンドカジノヘイスト実装!初挑戦で偉業を残すALLIN 01/28 2024/01/23 51 安城成からの告白宣言を唯一聞いてたヘルアン。その後告白の結果を聞くが… 01/29 2024/01/23 52 とんでもない弟子が生まれて爆笑が止まらないヘルアン 02/03 2024/01/25 53 さぶ郎と不二子さんとPYについて話し、誕生日を祝う計画を立てた結果… 02/05 2024/01/27 54 初めてのパシフィック銀行で回収を担当!だがまさかの展開になってしまうwwww 02/06 2024/01/25 55 薬乃紅に彼女の香月ろぎあを紹介し、全てを暴露されたじたじになるヘルアン 02/07 2024/01/18 56 うさぎさんのライブデートに行くがボスからまさかの〇刑宣告!?その後香月ろぎあと話し合いになり… 02/09 2024/01/25 57 MonDボスとヘルアンでボスの過去や今後のロスサントスについて話してみた。 02/10 2024/01/25 58 CPUとの出会いからALLINに勧誘するまでの話 02/12 2023/11/29 59 Sellu最後の日、パシフィック銀行でSellu ヘルアンでコンビを組み、雑談でボスの好みを語るALLINメンバー 02/14 2024/01/20 60 圧倒的に絶望的な状況になったカジノヘイスト、ALLIN全員が出した作戦は… 02/15 2024/02/13 61 香月ろぎあとヘルアンがバレンタインで用意したプレゼントが予想外過ぎて爆笑する2人ww 02/18 2024/02/14 62 ボイラとメキーラさんに話を聞き、あまりにもてぇてぇすぎてカプ厨が溢れ出てしまうヘルアン 02/20 2024/01/15 63 弟子にチェイスを教えながらおもちゃにして遊ぶヘルアン 02/23 2024/02/12 64 ALLINで半グレのフリして風見セオと宝石店強盗をやったら大戦争になりました。 02/26 2024/02/10 65 五十嵐えいむがナンパした相手が〇〇すぎて爆笑するMonDとヘルアンwwwww 02/28 2024/01/25 66 風見セオがALLINに加入希望!だが憧れてる人に心当たりがあって笑いをこらえるヘルアン 03/03 2024/02/12 67 香月ろぎあが新組織に加入&闇メカニックの拠点がついに完成して興奮が止まらないヘルアン達 03/04 2024/03/01 68 CPUとヘルアンにMonDボスからの突如プレゼントドッキリ 五十嵐えいむのダンプカー強盗がめちゃくちゃすぎる 03/06 2024/02/12 69 白井満太が大型ミッションで魅せたストグラの歴史に残るヘリクラッチがヤバすぎた 03/08 2024/03/02 70 ALLIN vs 全ギャング 宣戦布告するボスとそれに同意する全メンバーの覚悟 03/10 2024/03/03 71 麻林ラル なしまかなが仕掛けたドッキリでヘルアンが起こした行動とは…? 03/11 2024/03/05 72 香月ろぎあの誕生日に〇〇と〇〇を贈るヘルアン 03/15 2024/03/05 73 ギャング・個人医・警察によるチルトークが和み過ぎた 03/17 2024/02/23 74 大型犯罪から始まった犬ルリ vs ヘルアンの結末がALLINのコントすぎた 03/19 2024/03/06 75 ストグラ史上最大の事件「REDRUM」について話しを聞くヘルアン 03/22 2024/01/10 76 香月ろぎあから聞いた新薬の噂が街を巻き込むドラマの様な怒涛の展開に… 03/31 2024/03/27 77 救急隊になった香月ろぎあと犯罪現場で出会い、同棲について痴話喧嘩を行うヘルアン 04/02 2024/03/26 78 個人医なしまかなに救われて言葉を失うヘルアン 04/08 2024/04/05 79 GBCとALLINの抗争で友情が生まれるヘルアン 04/11 2024/03/24 80 星野サラと完成度の高いコントを繰り広げるヘルアン 04/14 2024/03/06 81 香月ろぎあの用意したプレゼントが凄すぎて言葉を失うヘルアン 04/16 2024/03/14 82 絶対に新薬の情報が欲しいうさぎさんと絶対に探ってほしくないヘルアン 04/18 2024/04/11 83 ストグラで実装された電車で様々な検証をするヘルアン 04/22 2024/04/16 84 鳥羽咲夜が帰る前日で3人でチルトークするが香月ろぎあがお嬢様すぎる事に笑うヘルアン 04/23 2024/04/13 85 ALLIN4人vs警察9人の大型客船強盗が熱すぎる 星野サラとゆちゃめろが面白すぎて爆笑するヘルアン 04/24 2024/04/19 86 三否定四五六確のALLINへの志望理由とボスとメンバーに意見を聞くヘルアン 04/27 2024/04/21 87 ヘラシギが日本に帰る事を知らされ、2人きりで本音で話すヘルアン 04/29 2024/04/21 + SPD エイプリルフール限定イベント:シャッフルパージデーの動画 # 動画タイトル 投稿日 1 もしヘルアンがALLINのギャングではなく警察の世界線だったら…? 04/03 2 立場が逆転し、警察と共にギャングと戦うヘルアン 04/04 3 ストグラではありえない汚職まみれの警官とセクシーなお色気犯罪者が面白過ぎたwww 04/06 4 MOZUの香月ろぎあ、警察のヘルアンが徐々に記憶が戻り、大事な物を思い出していく… 04/06
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/872.html
[17]Accelerator05―結標淡希の一番長い一日 その4 丁度とある坂道でちょっとした窃盗事件が起きていたのと同じ頃、黄泉川愛穂の部屋は結構散らかり始めていた。 結標がこの部屋に来た時には驚くほど片付いていたはずなのだが今では見る影も無いぐらいに混沌としている。 (あの短時間でここまで散らかせるとは……) 結標は思わず顔に手を当てた。 これで片付けた人間と散らけた人間が同じだなんて、正直な話全然信じられない。 いや、もしかしたら自分で散らけるからあれだけ片付けに力が入るのだろうか? (いや、それは考えすぎね) 一方通行がいうのは部屋が片付いてる時は何か揉め事というか、問題が起こったときだけ、との事だったが。 結標のつま先に何かが当たった。 空き缶だ。 下を見れば床には空き缶がいくつも転がっている。 ぐびが生だったり、札幌が黒かったり、端麗が緑だったり、七福神の一人があれだったり、冬季限定のサワーがどうだとかアクアがブルー だとかギュギュっと何かが搾ってあったり。とにかく銘柄はいろいろ。 (えーと、一本、二本、三本……あぁ、めんどくさい、あといっぱい!) 全部集めれば冬休みの工作として結標の身長くらいありそうなでっかい電気ネズミとか作れたりしそうだ。 作るのが誰かは知らない。少なくても私では無い。と結標は思った。 とりあえず手当たり次第で手に持った学園都市指定のゴミ袋へと空き缶達を次々放り込んでいく。 自分だって客のはずなのになんで結標が掃除してるのか……それは結標本人にだってわからない。 一つわかっている事は、今この部屋にいる人間の中で彼女以外は掃除しそうに無いって事だけだ。 芳川なら掃除ぐらいしそうなのだが、彼女も今は散らける側っぽい。 「ん……?」 空き缶は当然、発生源になっている黄泉川、芳川両名の側に集中している。 酒のつまみにとガラステーブルの上の深皿には、柿の種とかチーズおかきとかのお菓子類がこんもりと盛られていた。 打ち止めにはお酒は飲ませないようにしていたので彼女用のオレンジジュースのコップも置かれていた。 そのすぐ側には打ち止めの小さな背中。 可愛らしい青のワンピースは打ち止めによく似合っている。 後ろを向いてるので表情まではわからない。 でも、なんだか小刻みに小さな肩が震えている。カリカリと変な物音もする。 「打ち止め?」 どうしたんだろう?と疑問を持って結標が声をかける。 声に応えて打ち止めがくるりと振り返った。 (うわぁ……まじで?) 結標はそう思った。 「ハムスターみたいよ……打ち止め」 そして率直な感想が口に出た。 「――、―――――、―――――」 振り返った打ち止めの口元には食べかすがいっぱい。 口いっぱいに頬張っている。まさにハムスター。 でも頬張ったまま喋るのでまるで言葉になっていない。 「ごっくんしなさい……打ち止め。ごっくんってしてから喋りなさい」 こくこく。打ち止めの首が上下に大きく振られた。可愛い。 「お酒のつまみばかり食べてると鼻血でるわよ、打ち止め」 オレンジジュースが減っていく。 「っぷは――チーズおかきの真ん中っておいしいかも……。ミサカはミサカはもうコレに夢中だったりする」 小皿の上には真ん中だけ無くなったチーズおかきの成れの果て。 ごっくん、と残骸を飲み込んだ打ち止めの口元をスカートのポケットからハンカチを取り出して拭ってあげる。 打ち止めは「うにゅ~」とわけのわからない鳴き声を発していた。ますます小動物のようだ。 「はぁ……なんで私こんな事してるんだろう……」 元凶たる人物の方へと視線を送り、やがて諦めたかのようにぼやく。 打ち止めの不思議そうな瞳でそれを見ていた。 「淡希っちぃ、その制服って霧ヶ丘女学院(きりがおかじょがくいん)だろ?結構いいとこ通ってるじゃんよ」 声の主は一人掛け用ソファーには背を預け、缶ビール片手にほろ酔い状態の黄泉川。 飲み始めより大分アルコールがまわって来た様で頬はほんのりと桜色に染まっている。 髪をかきあげる。ただその仕草だけでも同性である結標から見ても妙に色っぽい。 (こういうのってフェロモンっていうのかしら?それとも大人の魅力?) 結標だって年頃の女の子だ。化粧もすればアクセサリーだってつける。 いつもは二つに分けて纏めている髪をほどいたりして髪型を変えてみるのも良いだろう。香水を少しつけてみるのもありだ。 クローゼットを開いてコーディネイトを考えて時間をかけてオシャレな服を選んで着こなせば、それなりに大人びて見えたりもする。 (……と思うわ、この人見てるとなんか自信無くなるけど) だが黄泉川のソレはそういう後付の色っぽさとは一線を画す物だ。人工物では無くあくまでも本人から滲み出る天然の色気。 (着ているのは普通のジャージの上下なのに……羨ましい限りだわ) ピンク色の毛布を抱えた結標はとりあえず、「ええ、"一応"」と限りなくグレーゾーンの言葉でお茶を濁した。 結標淡希は一応霧ヶ丘女学院所属にはなっているがそれはあくまでも記録上だ。 残骸事件の影響でいまだ扱いは留学中のまま。 学園都市の中にいないと言う事になっているので今は霧ヶ丘女学院の女子寮には住んでいない。 現在はあのプカプカ逆さ人間がどこからか手配したワンルームマンションで一人暮らし中。 風の噂で耳にした話だと残骸事件で結標に協力していた仲間達も似たり寄ったりな境遇らしい。 もっとも連絡は取れた試しが無いのだが。 (とはいえ、実際問題として霧ヶ丘への復学の見込みは低いのよね……。アレイスターは長点上機学園か常盤台付属辺りにでも転入処理して やっても良いとか言っていたけど、どこまで本気やら) 実際、大能力者(レベル4)である結標が申請を出せば大抵の学校は「はいはい」と二つ返事を返してくるだろう。 少し考えただけでもいろいろなパターンが思い浮かぶ。 転校、転入、新しい空間。 (それもいいかもしれない) 結標がふと口を開いた。 そういえばこの黄泉川は現役の教師だったはずだ。 (どんな学校なんだろう) 「黄泉川さんの所の学校……」 少しばかり黄泉川の勤める学校に興味が湧いた気がした。 「うん?」 「高校でしたか?」 「そうじゃんよ」 グビっと缶を傾ける黄泉川。教え子達の事でも考えてるのか、その表情は柔らかい。 「どんな学校ですか?特徴っていうか、その、特色みたいな?そんなのってあります?」 「いや、全然無いじゃん」 即答。 思考時間にして一秒以下だろう。 「学力レベルが高かったり?」 「いや、全然」 これも即答。 空き缶が床に転がった。 「スポーツが盛んだったり?」 「コレといって記録を残してるクラブは無いじゃんよ」 三度即答。 ガラステーブルの上の皿から柿の種を口に運び、ぽりっと齧る。 「小学校からエスカレーター式のマンモス学校?」 「うちは高校のみの単品だったりするじゃん」 しつこいが即答だ。 辛いものばかり食べてたら甘いものが欲しくなったのか、今度はコンビニ羊羹に手を伸ばす。 「じゃあ……」 少し間を空けて結標が本命を聞く。 器用に片手と口で羊羹の包みが開かれた。 「能力開発が」 「それもいたって平凡なもんじゃんよ。上は強能力者が片手の指でお釣りが来るぐらい。下は正真正銘の無能力者まで。 特徴っていう程の特徴は……、無いことも無いか。強いていえば生徒がやたらと個性的な事ぐらいじゃんよ。 特に一年生のクラスの一つは個性的って言葉が馬鹿らしくなる様なのが何人かいるじゃん。まぁ、見てる分には退屈しないかもね」 皆まで言うなとばかりに途中で先を言われてしまった。 ここで黄泉川が再び缶ビールを呷り始めたので結局それ以上は聞くことが出来なくなってしまった。 「ふぅ」 (個性的……。個性的とそうでないの線引きってどこからかしら?) 結標はそこで毛布を持って三人掛けソファーの前まで来て、そこで寝ている人物へと視線を落とした。 そう、個性的な人間ならここにもいる。それもとびきりの。 学園都市最強。質、量を問わず、あらゆるベクトルを支配下におく超能力者(レベル5)。学園都市の全能力者二百三十万人の中の第一位。 現在むかつくぐらい気持ち良さそうに睡眠中。 穏やかな寝息が結標の耳に届く。 変な人格の人間を個性的って乱暴に一括りにしてもいいのなら、結標の知っている人物の中に一方通行程個性的な人間も見当たらない。 彼がこうなったのは確か十分ぐらい前の事だっただろうか?確か三十分まではいかなかったと思うが、とにかく少し前。 「勝手にやッてろ」 の捨て台詞と共に三人掛けソファーを大胆に占領して、不貞寝してしまった事だけははっきり思い出せる。 (一方通行って学校行ってるの?) 結標の手がソファーで寝ている一方通行の肩辺りまで毛布を掛けた。 もともと、こうする為に隣の部屋から毛布を持ってきたのだ。 更にソファーのアームレストは枕には少々硬すぎるだろうと、少年の頭を下から少し持ち上げて白と水色のクッションを二つ折りにして 滑り込ませた。 毛布がくすぐったかったのか一方通行が身じろぎし、ゴロンと寝返りを打った。 横を向いていた白い少年の顔が九十度向き変更で結標の正面へと来る。 ビクゥ!?と露出している結標の肩が大きく震えた。 「び、びっくりさせないで欲しいわ……」 多分今の台詞を一方通行が聞いていたら確実に半殺しモードだろう。 だけど寝顔だけは、なんというかとても穏やかであり、なんだかカワイイ気がしないでも無い。 「う゛ッ……」 思わずたじろぐ結標。不覚にもスヤスヤと寝息を立てぐっすりと夢の中にいる一方通行に目を奪われてしまう。 (反則だわ……この顔は反則だってば……なんでこんなに) 「カワイイじゃんよぉ。なんなら襲ってもいいよ淡希っち」 「ひぇえぇぇ!?」 結標の心の声に合わせる様に黄泉川の声が訪れた。 変な悲鳴が結標の喉から飛び出た。 完全な不意打ちに呼吸は乱れ、心臓はバクバクと落ち着かない。 ただ口をパクパクと開いたり閉じたりするだけで声にならない。 それでも、しどろもどろでなんとか言い訳を探す。 「み、見とれてませんよっ!寝顔がカワイイなんて思ってませんよ!」 結標はそう言い切り、身振り手振りを織り交ぜてブンブン両手を振り回して黄泉川に訴える。 が、返ってくるのは暖かな視線が二つ。 いつの間にか芳川まで「あらあら、初々しいわねぇ」とかすっかりお姉さんモードだ。 ガラステーブルを挟んで黄泉川と一緒に 「若いわねぇ」 「若いじゃんよ」 「でも口喧嘩してなかった?」 「喧嘩するほど仲が良いじゃんよ。それに一方通行と口喧嘩できるなんて人間、そうそういないじゃんよ」 とか少し暢気な会話をしている。 「夫婦喧嘩っていうんだよね。ってミサカはミサカはミサカネットワークから引き出した情報を得意気に使ってみたりする」 にょきっと出てきた打ち止めが会話に乱入した。そして結標のスカートの裾を引っ張る。 「淡希、夫婦喧嘩って何?ミサカはミサカは詳しく聞いてみる」 「ぁぅ……」 答えられない。 「違うじゃん打ち止め、あれは痴話喧嘩っていうじゃんよ。キチンと固有名詞で登録しておくじゃん」 「愛穂」 「何?桔梗」 「あんまり打ち止めに変な事ばかり教え込まないで頂戴」 「そっかそっか、わかったじゃん。なら打ち止め、夫婦の一個下のランクで『恋人』とか『彼女』とか登録しておくといいじゃん、これなら バッチリじゃんよー」 なにがバッチリなのかわからない。 ばちこーん☆と黄泉川のウインク。 「だ、だから違うっ!私はコイツ(アクセラレーター)とは何でも無いんですって!?さっきから何回もそう言ってるのに信じ――」 「ぶぅぇつにぃー、淡希っちの事だとは一言も言って無いじゃんよー」 「あらあら……墓穴を掘ったわね」 ニヤニヤとした生暖かい視線の中、結標に出来るのは両手をバタバタと振って抗議する事ぐらいだった。 「ミサカもこの人で遊びたいかも、とミサカはミサカは準備運動を始めてみたり」 幼女が助走をつけようと壁際まで下がったのはすぐ後の事。 ソファーにダイブしようとした打ち止めを結標が空中で阻止して一言。 このままでは自分の身が持たない、と結標の目が物語っていた。 「ら、打ち止め……さ、散歩、そう、外に散歩とか行きましょう。ついでにお菓子的な物、買ってあげるから、ね、ね」 [12月23日―PM15 17]
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3548.html
【電磁人の韻律詩42~ラプラスの悪魔~】 原因があるから事象がある。 事象はすべからく原因と化す。 この物語の最初に述べた通り、それは自明のことなのだ。 不完全ながら私との契約を可能にした少女もそんな世の中の法則で動いているし、 この物語の主人公もそんな法則の中で動いている。 だが、世の中にはそんな法則を越えた理不尽が少なからずいる。 たとえば世界を征服したアレキサンダー たとえば日の沈まぬ国を陥落させたドレイク 不確定性原理を提唱したハイゼンベルク 全て私の能力を超えて力を発揮してきた人間だ。 ここで挙げてきた人間は歴史に名を残した人々ばかりだが、 当然歴史に名を残さなくても因果を越えた人間存在は居る。 それこそがこの物語の最後の敵。 前回の話より遡ること三日前、明日真は笛吹探偵事務所の前に立っていた。 自らを鍛えた上田明久に焚きつけられて、彼は上田明也に勝負を挑むことにしたのだ。 本来であれば明日を止めるはずの恋路が明日真との痴話喧嘩で居ないことも彼の無茶を支えていたことは否定できない。 「……よし、行ってみるか。」 上田明久は自ら笛吹探偵事務所に電話して明日が来る旨を告げていた。 同時に 「正面から真面目に戦わないとお父さん遊びに行っちゃうぞー」 と宣って明也を戦慄させていたので明日に上田からの不意打ちの心配は無くなっていた。 明日真は迷うことなく探偵事務所につながるエレベーターのボタンを押した。 「来たか、明日真。」 エレベーターの扉が開くと少女が待っていた。 赤毛の少女、橙レイモン。 ラプラスの悪魔の契約者。 「ってレモンか。所長は居るのか?」 「橙レイモンだ、今回の私は笛吹探偵事務所警備担当。つまりお前の相手だよ。 私を倒さなければ上田とは戦えないと思ってくれ。」 「いや、俺はあいつと戦いに……。」 「冷静に考えてみろ明日真、上田明久が出た時点で我らが所長は絶対に勝負に来ない。 彼の無茶苦茶さは君自身が最も知っているはずだ。」 「でもだからってお前が俺と戦うっていうのか?」 「ああ、それが上田明也が上田明久と会わないでお前との戦いを終わらせる方法だからな。」 そう言ってレモンは明日の背後に向けて指でコインを撃ち出した。 「あ痛ッ!」 「予測通り、息子が妙な真似をしようとしないか監視する為に来ていたか。」 「あ、明久さん!?何処に隠れていたんです?」 「私の能力の管理下から逃れうる人間は居ないぞ!」 「くっそ……、明也の奴良い仲間持ってるんじゃねえか。 隠れるのは別にちょっと昔戦った忍者の技を真似ただけだ。」 額に当たったコインの痕をなでさするサムライポニーテールの大男。 上田明久である。 彼は息子が自らの弟子に対して卑怯な手を使わないように見張りに来ていたのだ。 「ところで念のために聞いておこう上田明久。 私が上田明也と戦う前に彼と戦っても問題無いよな? なんせ私はこの事務所の警備担当な訳だから不審者を排除する義務がある。」 「だが俺のお膳立てした俺の息子と俺の弟子の勝負を邪魔する権利はないな。」 「ああ、だが始まらなければ勝負じゃないだろう?」 「お嬢ちゃん、何か勘違いしているようだが……。 それはお嬢ちゃんが俺より強くなければ成り立たない話じゃねえか?」 「何を言っているんだ上田明久。私とお前では役者が違う。」 「はっ、ガキのくせにこの俺に対して大口叩くじゃあ……」 「―――――ウォーリーを探さないで。」 そう言った瞬間、上田明久は明日真の前から姿を消した。 「やれやれ、何時までも若い気で居る老人というのは迷惑な物だよ。」 「…………嘘だろ?」 「これが現実だ、受け入れろ。」 明日真はレイモンと面識がある。 だが明日はレイモンが戦闘能力を持っているなどと思いもしていなかった。 だからあの圧倒的な強さを持つ上田明久を一瞬で消し去った彼女の能力に明日真はただただ驚いた。 「さて、次はお前の番だ。 抵抗しても良いぞ? どこかの探偵と違って私は容赦しないし優しくないからな。 侵入者が来たらすぐ排除、シンプルで良いだろう?」 「まて……!」 レイモンが指を鳴らす。 次の瞬間、明日真の姿はビルの中から消えた。 「……ここは?」 「私の能力で作った空間だよ。まあウォーリーを探せの一ページだが。」 ブリキの兵隊 黒髭危機一髪 五体バラバラになった兎のぬいぐるみ 目玉のとれたリカちゃん人形 マジンガーゼット そのどれもが巨大 何時の間にか明日真は巨大なおもちゃ箱の中に立っていた。 「私を一歩でも歩かせたら上田に会わせてやる。」 レモンはそこら辺に転がっていた人間と同じ大きさのBB弾を蹴飛ばす。 それが玩具の携帯電話にぶつかって携帯電話の上に置いてあった箱が倒れる。 その中に入っていた沢山のビーズが明日とレイモンに降り注ぐ。 「うぉ!?危ない!」 「安心しろ、当たっても死にはしない。」 ビーズと言っても当然巨大。 当たればそれなりに痛いし、打ち所が悪ければ怪我もするだろう。 だから明日真は必死でそれから逃げ回る。 「くっそ……!」 一瞬マイクロ波を撃とうとする明日。 だが彼女がまだ子供であるという意識が彼にそれを躊躇わせる。 次の瞬間、降り注ぐビーズの一つが明日の頭を直撃した。 明日は吹き飛ばされて熊のぬいぐるみにぶつかる。 「おいおい頼むぞ明日真。 仮にもうちの所長を倒そうという男がそんな事では困る。 私を倒さなくては所長も倒せないんだからな。」 「言われなくてもやってやる!」 マイクロ波の射出能力の応用。 明日はマイクロ波に変換する前の体内を巡る電流を使い、肉体を活性化させる。 強化された肉体で明日真は転がってくるビーズを飛び越えてレイモンに迫る。 「だがそれも想定済みだ。」 降り注ぐ大量のビーズのうちの一つをレイモンは懐から取り出したエアガンで撃つ。 カツン それはわずかに軌道を変えて熊のぬいぐるみに引っかかっていたビーズにぶつかる。 カツン そのビーズは転がって穴が空いた大きなビーズにぶつかる。 カツン そして大きなビーズは三角の積み木の上に乗ったスプーンにおちる。 すかさずレモンがブリキの兵隊が何故か持っていた子供銀行の巨大な十円玉を撃ち抜く。 それはブリキの兵隊の掌から落ちて下にある積み木の上に置いてあったスプーンの柄の部分にぶつかる。 シーソーのようにしてスプーンの上のビーズが空中を飛ぶ。 ―――――――直感 それが間違いなく自分に向いていると明日真は直感だけで気付いた。 彼は横っ飛びに飛ぶ。 「うわっ、危ないじゃねえか!」 「いやいや、危ないのはお前だよ明日真。 私にはなんでお前がそれを避けたのか理解出来ない。」 カツン 降り注いだビーズが穴あきビーズにぶつかってその軌道を空中で変えた。 「うわあああああああああああ!!!」 予想できない攻撃に、明日真は押しつぶされると思って目をつぶった。 「……あれ?」 明日真は辺りを見回す。 視界はピンク一色で染められていた。 彼は穴あきビーズの穴の中に嵌ってしまっていたのだ。 「まったく、これでチェックメイトか明日真? まあここで止めておけば無傷で帰れるぞ。」 「そんな訳無いだろ!」 「オーケー、じゃあ怪我して帰れ。」 そう言った瞬間、レイモンの近くに巨大ロボが倒れ込んでくる。 巨大なマジンガーゼットの超合金玩具だ。 「やっと来たか。」 それは丁度良くレモンの手の届くところにロケットパンチのスイッチがついていた。 そしてロケットパンチは丁度良く明日真の方を向いていた。 バネの勢いよく跳ねる音。 「うなーれー、鉄拳ロケットパンチ~。」 ロケットパンチが明日真の入っているビーズを撃ち抜いた。 「うぉわああああああああ!!!」 ロケットパンチのサイズが成人男性の拳骨くらいだとすると 明日真のサイズは現在成人男性の小指くらいである。 明日真はビーズごと簡単に吹き飛ばされた。 彼は既におもちゃ箱の底に全身を打ち付けてボロボロである。 しかしレイモンは戦闘が始まってから一歩も動いていない。 すでに勝負は付いていた。 「おや、もう駄目かな?生きてるか明日真?」 「………………。」 返事はない。 「うぉおおおおおおおおおお!」 突然、レイモンの後ろから明日真が現れる。 明日真はロケットパンチがあたって吹き飛んだビーズの中からこっそり逃げ出していたのだ。 そして明日真はそこら辺に落ちていた巨大なビーズを投げつけようとする。 「だがそれも予想済みだったけどね。」 レモンがエアガンで明日の手を撃ち抜く。 そしてビーズが明日の手から落ちた。 「これで潰されて……!?」 その時、レイモンの予知が外れた。 レモンの予知では明日がそのビーズに押しつぶされてその勝負は終わるはずだったのだ。 「ビーズはフェイント、本命は直接お前を捕まえることだよッ!」 レイモンには反応できない早さで明日が近づいてくる。 レイモンはエアガンで明日を撃とうとしたがそれも全て躱される。 「おっしゃあ、捕まえた―――――ゼッ!」 レモンは近くに有った剣の刺さった黒髭危機一髪の剣にエアガンを撃ち込む。 黒髭危機一髪が明日に直撃した。 「……思ったより危なかったかな。」 「く、そ……。」 明日真はそれ以上動けなくなってその場で気絶した。 次に明日が眼を覚ますと明日は家の前に投げ捨てられていた。 普段なら恋路が回収してくれるのだが今は諸事情の為彼女は家に居ないのだ。 「俺、あの子供にも負けたのかよ……。 俺の修行ってなんだったんだ……。」 明日真は大いに落ち込んで家のドアを開ける。 ドアをあけると何故か玄関にはスケ番風の金髪カチューシャお姉さんが立っていた。 「よう少年、大分落ち込んでるみたいじゃねえか。 そういえば磁力を使えばピッキングなんて楽勝だよね。」 「笹木さんじゃないですか。なにやってんですか。」 「家に上がれよ、お姉さんがお片付けくらいはしておいてやったぞ。 しかし少年がこんなエロ本読んでいたなんて……。」 「そこ俺の家です! ていうか何勝手に上がり込んでるんですか!」 「ジャンプでも良くいるだろう、押しかけ女房。」 「誰のせいで恋路が出て行ったと思ってるんです!」 「私は恋敵を追い出しただけだ、私は何も悪くない。」 笹木は明日より背が高い為に話そうとするとどうしても見下ろす形になる。 笹木の艶やかな唇が喋る度に揺れる。 だが明日はどうしても胸に視線が釘付けになっている。 とりあえず家に入らないとどうしようもないので明日は家の中に入ることにした。 ちなみにその頃の上田明久は 「ウォオオオオオオオオオオリィィィィイイイイイイイイイイイ! もっと戦えええええええええええええ!」 「うわ、こっちくんな!」 「あれがジャパニーズサムライ……。」 「お前ら逃げるぞ!」 「俺に構うな先に行け!」 「数の力で押しつぶせば勝てるって!」 「いや無理だから!」 「何あれ、無双乱舞つかってるよ絶対!」 「ていうか常に無総ゲージマックスなんじゃねえの!?」 「りょ、りょ、呂布だああああああああ!」 「おらおらお前ら奇跡の一つくらい起こしてみやがれ!」 「命だけは助けてえええええ!」 「駄目だああああああああああ! これでも手加減してやってるんだからもっと頑張りやがれええええええ!」 ウォーリーをさがせの世界の内部にいる偽ウォーリー達のほとんどを切り倒していた。 彼がウォーリーをさがせの世界を自力で破壊して出てくるのはこの十分後のことである。 【電磁人の韻律詩42~ラプラスの悪魔~fin】
https://w.atwiki.jp/mitsumei2ch/pages/102.html
突発的に婚約が決まった御剣怜侍と狩魔冥の祝いの場は、保護者付きなら子どもの 入店も許されている居酒屋だった。ごく普通の個室の座敷だ。庶民的なのは、その日は 元々、御剣を除くメンバーが集まる予定だったからだ。 御剣は知らなかったが、冥は帰国すると成歩堂たちと会っていたらしい。舌の肥えた 冥に最初は緊張したが、B級グルメにも興味津々で気さくだという。 「レイジが知ったら高いお店に連れて行って貰えなくなるわ」と冥は箝口令を敷いて いたが、実にもって全くその通りだ。食事絡みの時だけは、細かく言えば支払いの 時だけは冥は「兄妹弟子」を主張するので奢らされていたというのに。 店に来る前、裁判を終えた御剣は、ロビーにて本日二度目の衝突があった。 帰国して裁判所に顔を出していた狩魔冥と、子どもの頃のような派手な口喧嘩をやったのだ。 長い片想いに疲れた冥が、話の流れでホテル生活と脈が無い御剣を待つのに飽きたとブチ切れた。 青天の霹靂、七歳年下の自分の師の娘に手を出す選択肢を持たなかった御剣は、望むならぜひ 一緒に住もうと上から目線で「同棲」を持ちかけたのだった。 一の勧誘に百の棘を持つ抵抗が返ってくると身構えた御剣の胸に、あの気の強い冥が泣き、 胸に飛び込んで来たのは驚きだった。困惑し宥めていると、口論のプロである現役検事同士の はた迷惑な痴話喧嘩をハラハラと見守っていたその場の関係者が安堵し、大きな拍手を持って 祝福してくれた。その最中は幸せな時間だったが、さらに時間が経った今では、公衆の面前かつ 自分たちの職場での失態故に半年ばかり職場放棄したい、いっそ海外に飛ばして欲しい……と 現実から目を逸らしたくなっていた。 「おめでとう……で、いーのかな。上手くいって良かったよ」 「成歩堂」 一度でクリア出来る期待はしていなかった。カンペキを求める狩魔の娘に対して、なんとも 見苦しい告白だ。御剣も最初は、「指輪が無い」「改めて夜景のきれいな場所で交際を 申し込め」等、落ち着いたら冥は徹底的にダメ出ししてくるに違いない、どう論破して くれようと迎え撃つ構えだった。 が、冥はまるで夢のようだ、お互い忙しいから式も旅行もいらない、しばらくは他の国の 仕事は断わると塩らしいことを言い……「同棲」ではなく、冥の頭の中は一足飛びに「結婚」 という、厳しい現実を突きつけられたのだった。 自分の人生で具体的に結婚を考えたことが無かった御剣は、酷く動揺したが後の祭りだ。 その後、冥は普段の彼女を取り戻していった。泣かれるならなじられる方がずっと彼女 らしくて安堵する。冥の怒りは自分を子ども扱いし、プロポーズを待っていたのに行動を 起こさなかった御剣に対しての恨みつらみで、一途に惚れられていたことを痛感した。 言葉は攻撃的だが、何を言われても可愛く感じる自分にも戸惑ってしまう。 それらのやりとりを思い出すと自然に笑みが漏れてしまい、御剣は慌てて咳払いで誤魔化した。 用事を済ませた、もう一人の主役が到着すると、歓声が上がった。 強制的に御剣の隣に座らせ、ニヤニヤと他のメンバーが祝いの言葉で取り囲む。 「プロポーズされて仕方なく受けた」「まだ若いし私はもっと後でも良かったのよ」などと 醒めた口調なので、ほっけを解す作業に集中するふりをしていた御剣は次々出てくる偽証に 吹き出すのを堪え、酸欠状態に陥った。 ――検事を見たら嘘つきと思え。 「式や指輪の相談は、次に帰国した時ですか?」 と霧緒が冥に尋ねる。冥は明日、別の国に発つからだ。後が怖いので御剣は何一つ省く つもりは無かったが、隣で冥が拒否した。 「いらないわ」 「えーっ、かるま検事、せっかくだし最初がカンジンなんだからたこ焼きくらいの指輪 貰っちゃおうよー。お宝はいくつあっても困らないし」 唆すような真宵の言葉に、冥は首を振った。 「レイジが私を選んでくれたっていう、その自信が私の宝石なの。これ以上飾る必要はないわ」 幸せそうに微笑む冥にその場の女子が悲鳴を上げ盛り上がり、過去散々鞭打たれて来た 男性陣はまるで人格の変わってしまった冥の発言に引き気味になっていた。 「悟りの境地の狩魔検事がなんだかブキミッス」 「イトノコ刑事、他人の婚約者をブキミとか言うな!……気持ちはわかるけど」 「安心したまえ。この私もキミたちに限りなく近い心境だ」 成歩堂たちと一緒の時は、冥は安酒も普通に飲むという。自分に奢らせる時は煩いほど 銘柄に拘るのにと御剣は面白くない。が、ワインやシャンパンのグラスを気取って口に 運ぶ彼女とは違い、楽しそうに焼酎や国産ウィスキーをロックで呷る男前な飲みっぷりは 気持ちが良く、惚れ直しそうだった。 お約束の「いつから好きだったか」の問いに、冥は「一目惚れよ」と即答した。 御剣の方は、初めて会った時の冥の印象は薄い。というのも、挨拶する御剣の顔をじっと 見つめた後、冥は無言で自分の部屋に消えてしまったからだ。 「王子様が我が家に来た!って、幼い私には大事件だったの。恥ずかしくて隠れたわ」 (第一印象から睨まれ、敵対視されてると思っていたのだが) 「目に浮かぶようだ……」 成歩堂は顔を引きつらせ相槌を打つ。小学生ですら女子が御剣を見る目は違かった。 鈍感・御剣の総スルーの天然タラシっぷりは、冥の場合も健在だったらしい。 「レイジは恥ずかしがり屋で、せっかく私が勇気を出してアピールしてるのに、検事に なる勉強で忙しいっていつも逃げてたのよ!」 想い出して憤怒する冥のその横で、御剣は一人、首を傾げてしまった。 (無言で背後から六法全書で殴られれば、逃げて当然ではないか) 祝いの席で異議を申し立てるのは大人気ないので、御剣は「その節はすまなかった」と 棒読みで謝っておく。偽証の裏づけ発言をしている気分だ。 「勉強の話題の時だけは話を聞いてくれたから、レイジを私に振り向かせたくて、 さらに私も勉強に力が入るようになったわ」 それは、彼女の力であって、自分は良い競争相手になっただけだ。感謝するとしたら、 御剣の才能を信じ育ててくれた師と彼女の家族にだ。右手にテディベア、左手に絵本 ではなく六法全書を携える七歳年下の天才少女の存在は常にプレッシャーだった。 あの非日常的で特殊な環境が、今の自分の下地を形成している。 「あ、あの。わたくし、みつるぎ検事さんのお話もお聞きしたいです!」 逃げるつもりだったのに、質問者が頬を赤らめた子どもの春美だったので出来なくなった。 御剣の回答に期待し目を輝かせる女子に下手なことを言えば袋叩きで、慎重に言葉を選ぶ。 「私は、見ての通り勉強と仕事以外の事は一切排して来た。潜在的にはおそらく、 メイが初恋の相手だと思う」 強引に、そういうことにしておく。脳裏に狩魔家で迎えたクリスマスの夜、冥に宿木の 下に引きずり込まれ奪われたファーストキスの記憶が蘇った。そのキスは拒めないという 風習を知らぬ御剣は憮然として、冥と口論になった。しかも、男女の条件が逆転して いるのだから、当時から今日まで御剣は全く成長がない。 再びテンションの上がった女子を横目に思考する。少なくとも、検事になった後も冥とは 滅多に顔を合わせる環境ではなかった。自覚したのは……今日だ。 (私が初対面で冥に惚れてたら犯罪だというのに、女性の気持ちは理解しかねる) テーブルの下で、冥の右手が御剣の膝に置かれた。グローブ越しで感触や体温は 伝わらないが、異性のそれを知っている身は、脱がせたい触れたい欲求に駆られる。 現在の冥は、左手に鞭、右手は甘い砂糖菓子だ。指を重ね返した御剣には軽く一瞥くれた だけでガールズトークに参加していた。計算ずくの行為にモヤモヤしそうになる。 この日の冥はたくさんの笑顔を見せ、酔い潰れ、御剣の膝で眠り込んでしまった。 いろんなことが一度に起こり過ぎて、御剣自身まだ実感が沸かない。一方的に冥が喋る ばかりで、殆ど発言せず来年籍を入れる話に決まっていたからだ。 一生独身でも何の問題も無いが、冥が相手なら逆らうよりいっそ流される方が楽だ……と、 冥に負けず劣らず、素直ではない自分に御剣は苦笑した。 ラストオーダーの時間になった。今後も当然のように部下の糸鋸の手を借りるつもり だった御剣は「婚約者なのに」「自覚は無いのか」と総攻撃を受けた。 自力で運ぶのは面倒なので、仕方なく起こすことにする。 薄目を開けた冥はぼんやりと御剣の顔を見つめ返し、目を凝らしていた。 「……夢、だったの……?」 悲しそうに冥が呟く。婚約のことを言っているらしい。 「プロポーズの話なら夢ではない。帰ろうメイ」 「……レイジ!」 寝ぼけているにしては力強く胸倉を捕まれ、冥が首に抱きついて御剣の口を塞いだ。 油断していたために、御剣は冥に圧し掛かるような体勢になりジタバタする。 「御剣検事、目に毒ッス!場所を弁えるッス!」 積極的になった冥はなかなか離れようとせず、その場でふしだらな何かが始まりそうに なるので、御剣は説得を試みた。 「ぐ。メイ、こんな場所で、そのようなアレは困る」 「ふふっ。照れてるレイジ、可愛い……」 酔いが醒めてない冥は御剣の手を自分の胸に押し付けて来た。元々年齢よりは大人っぽいが、 女の顔で自分を誘う冥に大人の御剣ですらドキリとさせられる。 クールな天才検事にはそぐわない情熱的、扇情的な振る舞いに「さすが海外経験の ある検事さんは大胆ッスー」とマコからも感心されてしまった。 「イ、イトノコギリ刑事……」 御剣がまとわり付く冥を引き剥がそうと助けを求めるが、 「正気に戻った後の狩魔検事の制裁が恐ろしいッス!」 醜態を見られたことを冥が知りどれだけ荒れるか。その想像で糸鋸は身震いしていた。 「な、成歩堂……」 「悪いけど眠った春美ちゃんが背中にいて手が離せない。……帰ろう、真宵ちゃん」 「えーなるほどくん、おもしろそーだよ。無料だし」 「真宵くん!これは見世物では無いッ!」 二人の邪魔をしてはいけないという遠慮なのだろう。「不要だ、そんな気遣いは不要だ!」 という御剣の必死の訴えは却下され無視されてしまった。 「おやすみ御剣。今日はお祝いだから、ぼくらからの奢りだ」 「失礼するッス」 「おやすみなさいッスー」 「指輪はゼッタイですよー、みつるぎ検事」 「末永くお幸せに」 彼らの声が遠ざかっていく。この日は恥をかき倒す運命だったのかもしれない。 いつのまにか、御剣の下で冥が静かになっていた。さすがに暴れ疲れたらしい。 冥の証言は御剣の視点ではムジュンの塊だが、もし冥が被告人なら検事側ではなく あの時と同じように弁護側に回り、冥を信じ抜いてみせよう。 自分が冥を口説き落として花嫁にするという「真実」も悪くない。 「帰るぞメイ」 念のため声をかけたが、「うるさい」と怒られた。本来の冥だ。 起こすのは可哀想だし、担ぐなり抱えるなりしてタクシーを使うことになる。それは 構わない。新たに抱えることになった問題は、中途半端に冥から誘惑されたお陰で、 御剣は部屋に連れ帰り大人しく一人で寝るのは不満だという現実。 大人の自分を挑発し弄んでくれたこの小娘に、お返ししないと気が済まなかった。 裁判、口喧嘩に続き、本日三本目の勝負。最初がカンジンだ、と真宵も言っていた。 (今夜はこのまま平和に寝てられると思うなよ、狩魔冥) フィアンセという立場になった妹弟子に対し、御剣は心の中で挑戦状を叩きつけるのだった。 おわり
https://w.atwiki.jp/2005shock/pages/26.html
酒の肴/2005年08月18日/元気か? #blognavi
https://w.atwiki.jp/kinoutun/pages/551.html
沢邑勝海 こんばんは。生活ゲームの時間になりましたのでお声かけさせていただきました。 芝村 はい。記事どうぞ 沢邑勝海 http //cwtg.jp/ogasawara/wforum.cgi?no=5977 reno=5916 oya=5916 mode=msgview 【予約者の名前】23-00740-01:沢邑勝海:キノウツン藩国 【実施予定日時】12/8 22 00〜23 00 【ゲ-ム実施時間】20マイル×1時間 【予約の有無】予約 有り(10マイル) 【召喚ACE】 沢邑勝海 ・谷口竜馬:藩国非滞在:10 【参加プレイヤ-の食糧消費】3マイル×1人 【合計消費マイル】計43マイル 【参加者:負担するマイル】 23-00740-01:沢邑勝海:-0マイル:入学済 #誕生日枠を使用します http //cwtg.jp/qabbs/bbs2.cgi?action=article id=8462 芝村 イベントは? 沢邑勝海 1:谷口・藩国ACE達への狙撃などの起こらない安全な場所 2:先月の谷口の誕生日を祝う、もしくは早めのクリスマス (谷口本人が好きな方でお願いします) この二点を踏まえてゲームさせていただきたいと思っております。 沢邑勝海 それと質問なのですが、 Q1:今回キノウツン旅行社から谷口に私が行く事は伝わってますでしょうか? Q2:産業育成に合わせて『メイド喫茶(イベント)』を取得しておりますが、このイベント効果はこのゲーム中で自動発動しますか? (PLACE青狸さんが危険にさらされるのを避けたいのですが) 芝村 踏まえられるかはわからんよ 芝村 A1 いいえ 芝村 A2 ええ 沢邑勝海 ではなるべく安全な場所でお願いします……。 沢邑勝海 それと以下のr:をお願いします。 r:今回会う事と、待ち合わせる場所を谷口へ事前に連絡しておきます 芝村 数分待て 沢邑勝海 はい、よろしくお願い致します。 芝村 /*/ 芝村 ここはキノウツンだ。 芝村 メード喫茶が行われている。 沢邑勝海 「おおお……」 芝村 谷口ははぁ。と言う顔だ。 芝村 開店前から青狸が立ってるよ 沢邑勝海 「あ、すいません…こう言うの、苦手手ですかね?」 芝村 谷口:「いやまあ。ははは」 沢邑勝海 散歩部に参加しておりますので特殊使用できますでしょうか。 散歩部所属者は生活ゲーム開始時に1d6することが出来る。1が出たらいいものを、6だったらその時藩国で進行している嫌なものを見る。この能力は参加税を払わないでも起動する 芝村 #どん引きしてそうだ 芝村 どうぞ。NWCでふってきてちょ 沢邑勝海 「まぁ、最初に見た人はみんなそういうと思います、うん…」(苦笑) 芝村 谷口:「まあ、そうでしょうね」 芝村 谷口:「一難去ってまた一難ですね」 沢邑勝海 MASTER◆沢邑勝海 > 1D6 → 5 = 5 (12/8-22 08 14) 沢邑勝海 「私も最初見た時驚きましたから。……慣れましたけど」 芝村 #普通そうだ。 沢邑勝海 「一難なんですかっ、って竜馬さん的にはナシなのかー…」 芝村 谷口:「え。これは肯定的にみれるものなんですか・・・」 芝村 谷口:「てっきりこう、風俗系のにおいが」 沢邑勝海 ブーッ 芝村 谷口は青狸のバーニングぶりを見ながら言った。 芝村 挙動不審だ。 芝村 メイスもってる 沢邑勝海 「いや普通にメイド服の人が給仕する喫茶店ですって……」 沢邑勝海 「って、何バーニングしてるんですか青狸さん……orz」 芝村 谷口:「はぁ」 芝村 #説得力0 沢邑勝海 「まぁ、イロモノ扱いされても仕方ないですけど……」(めそめそ) 芝村 谷口:「まあ、私がいた頃とは、別の国でしょうしね」 沢邑勝海 「一応、法律的にはやましいことは禁止になっているので、安心てください、はい」 芝村 谷口:「・・・」 芝村 微妙な顔してる 沢邑勝海 私も微妙な顔がしたいです 芝村 まあ、性格的に当然か。 沢邑勝海 「一応、建国当時の雰囲気には戻りつつあるんですけどね……」 沢邑勝海 ですよねー。 芝村 谷口:「ははぁ」 沢邑勝海 「そういう意味では感慨深い物があるんじゃないかと……」(頭抱えながら) 沢邑勝海 #別の方向で心が折れそうです。 芝村 谷口:「砂漠に得体の知れない店、怪しい人物と」 芝村 谷口:「ま、まあ・・・いや、幸せならいいんじゃないでしょうか。ははは」 芝村 谷口:「まあ、ではこれで」 沢邑勝海 「ちょっとまってくださいー!」 沢邑勝海 r:引き止めます 芝村 谷口は情けない顔で貴方を見た。 沢邑勝海 「いや、別にメイド喫茶がダメなら入らなくていいですから、はい……」 芝村 谷口:「とめないでくだ・・はあ」 沢邑勝海 「人には好みもあるし、無理強いはしません」 沢邑勝海 「ここまで復興したのを見て貰いたかっただけなんです……」(がっくり) 芝村 谷口:「ありがとうございます。まあ、なんというか」 芝村 谷口:「おめで・・・とう・・・ござ・・・?」 沢邑勝海 「無理しないで下さい」(がっくり) 沢邑勝海 「いや、もう、引いてるのはよく解りますんで……別のところでも行きますか」 芝村 谷口:「すみません」 沢邑勝海 Q:メイド喫茶じゃない普通の喫茶店はありますでしょうか? 芝村 A ないよー 沢邑勝海 Q:では、このまま自宅に呼ぶことは出来ますか?(安全的な意味で) 芝村 A 雰囲気的に無理だろう 沢邑勝海 「……んー、竜馬さん、見て回りたいところとかあります?」 芝村 谷口:「そうですね」 芝村 谷口:「よろしければ、目抜き通りに」 沢邑勝海 「はい、では行きましょう」 芝村 谷口は周囲を観察しながら歩いている 芝村 凄い数のメードが並んでるぞ。 芝村 お帰りなさいませご主人様と国歌ならしながら、客引きしてる 沢邑勝海 「……うわぁ……」 沢邑勝海 「前にあった時の砂漠の時とは全然違いますね……」 芝村 谷口:「は・・・はは」 芝村 凄い復興だ。 沢邑勝海 r:逃げそうなら止めます 芝村 ふわふわと男達が次々吸い込まれていく 芝村 谷口:「まあ、なんというか、元気そうでなによりです」 沢邑勝海 「真面目は話、女性の雇用が増えてくれて何よりです」 沢邑勝海 「こうなるまでは女性が外に出ることすら難しかった時期もありましたから」 芝村 谷口:「・・・」 沢邑勝海 「竜馬さんにとっては変な風景かも知れませんが」 沢邑勝海 (頭かきかき) 芝村 谷口は蹴った。暴漢が倒れた。 芝村 日本刀がくるくるまわった。 芝村 取り押さえた。 沢邑勝海 「おお……!」 芝村 メード:「あ、それはるさんごっこなんで、大丈夫ですよー」 芝村 谷口は血走った男の目を見ている 芝村 谷口:「・・・」 沢邑勝海 はるさん……(頭抱える) 沢邑勝海 「今ちょっと泣いていいですか……」 芝村 谷口:「いや、なんというか。この人物は、ごっこではないですよ」 沢邑勝海 「嬉しいけどなにがなにややら……って」 芝村 谷口は暴れる男を気絶させた 芝村 谷口:「殺気は隠せません。よろしければ、調査を」 沢邑勝海 「はい、了解しました」 沢邑勝海 r:青狸さんに連絡を取ってみます 芝村 青狸はしぶしぶやって、犯人を連れて行った。 沢邑勝海 「ちゃんと調査しておいて下さいよー」 沢邑勝海 ……不安なのは気のせいだろうか 芝村 谷口:「みたことがあるような」 沢邑勝海 (谷口にしか聞こえない小さい声で)「今流行っている洗脳とかですか?」 沢邑勝海 「見たこと?」 芝村 谷口:「ええ。たぶん」 芝村 #どっちにかかってるかは、わからない 沢邑勝海 (谷口にしか聞こえない小さい声で)「……もう一度聞きます、洗脳、でいいんですよね?」 芝村 谷口はうなずいた 芝村 谷口:「間違いないと思います。洗脳といえるかどうかは、さておき」 沢邑勝海 「件の人さらいとかと関係ありますかね?」 沢邑勝海 #きな臭くなってきたなぁ 沢邑勝海 r:辺りを警戒します 沢邑勝海 #うぉ、誰か呼んだ方がいいのか…… 芝村 谷口:「わかりませんが」 芝村 メード達が心配そうに見てる 芝村 ティッシュくれた。 芝村 谷口:「すごいですなここは」 沢邑勝海 「あ、すいません……ただの痴話喧嘩ですんで!」>メイドさんに 沢邑勝海 (谷口にしか聞こえない小さい声で)「と言う事にしておいて下さい」 沢邑勝海 (引き続き小声で)「後で高原さん達に調査して貰います……すいません」 芝村 谷口は立ち上がった。 芝村 谷口:「少し見て回ってきます」 沢邑勝海 「私も手伝います」 沢邑勝海 「……他にも手助けはいりますか?」 芝村 谷口:「いや。なんというか。結構しゃれでない気がします」 沢邑勝海 「洒落でないのか……高原さん呼びますか?」 芝村 谷口:「よろしければ」 高原 が会話に参加しました。 沢邑勝海 高原さんを呼びます 高原 こんばんは 沢邑勝海 「と、言う訳で高原さん、かくかくしかじかまるまるうまうま」 高原 とりあえずPLACE着用して出ます 芝村 はあい 高原 「どうも、ご無沙汰してます」>谷口 芝村 でてきた 高原 「何か大変そうねえ」 沢邑勝海 「……たまには愛が欲しいです」 沢邑勝海 「谷口さん、これからどこへ?」 芝村 谷口:「・・・」 芝村 谷口:「建物の影へ。急いで」 高原 無言で従います 沢邑勝海 r:谷口に従います 芝村 谷口は壁に開いた穴を見た 沢邑勝海 えっ 芝村 谷口:「・・・狙撃のようです」 高原 「やっぱりか」 高原 「久しぶりだなあ狙撃。」 沢邑勝海 「やっぱ出たかー」 高原 「さてどうしよ。船橋なら場所がわかるだろうがあいつ呼ぶと撃たれそうだな」 芝村 ぴしっ 芝村 穴が、またあいた 沢邑勝海 「青狸さん呼ぶのも以下略……ってどっち狙いだこれ」 高原 「狙撃ポイントはこっから想像するとどの辺りかな」 高原 「誰が狙いでも同じだよ」 高原 Q 現在我々は路地裏とかにいるのでしょうか? 芝村 谷口:「いってきます」 芝村 A ええ。路地裏です 沢邑勝海 ついていった方がいいのかしら 高原 ちょーやめとけ 沢邑勝海 だよねぇ、動いたのばれるから 高原 「こっちで仕掛けるか、助けを呼ぶのがいいかい?」 高原 >谷口 芝村 谷口:「出来ればここにいてください」 高原 「了解」 沢邑勝海 「わかりました」 芝村 谷口:「釘付けにされていると、嬉しいです」 芝村 谷口は走っていった 芝村 /*/ 芝村 はい。おつかれさまでした 高原 お疲れ様でした 沢邑勝海 お疲れ様でした 高原 さてどうしましょうね 高原 (メイドに頼んで浅田に連絡→スナイプフォローとか考えたが) 沢邑勝海 Q 谷口は狙撃者を取り押さえましたか? 芝村 A ,まだ不明だよ 沢邑勝海 今から判定ですか 芝村 そだね。 芝村 評価変動は特にありませんでした。 芝村 では解散しましょう。おつかれさまでしたー 沢邑勝海 めぞん回避したのは正解だったのかなぁ 高原 お疲れ様でした 沢邑勝海 あ、済みません。 沢邑勝海 プレゼントにスコーンとクッキーを持ってきましたので後で谷口に渡しておいて貰えますでしょうか? http //www8.atwiki.jp/pons-k/pages/19.html 芝村 ああい 沢邑勝海 ありがとうございますー。お疲れ様でした。
https://w.atwiki.jp/2005shock/pages/48.html
酒の肴/2005年08月20日/イエス!! #blognavi